夜職辞める理由の志望動機、面接で通る組み立て方

履歴書の志望動機欄、白いまま何分も止まってる。多分そんな時間だと思う。
「体力的にしんどくなった」とは書けない。「稼げなくなった」なんてもっと書けない。でも本当の理由はそれに近いところにあって、じゃあ何を書けばいいのか分からなくなる。私も27歳で事務職に応募したとき、履歴書の志望動機欄を3回書き直して、結局その日は提出できずに寝た。
先に言っておくと、「辞める理由」と「志望動機」は別のものとして分けて考えると、この欄はだいぶ書きやすくなる。辞める理由はあなたの中にあるもの。志望動機は面接官に向けて話すもの。この二つを同じ言葉で説明しようとするから、詰まる。
辞めた理由をそのまま書かない、というだけの話
キャバクラを辞めた理由は人それぞれ、体力の限界、生活リズムを整えたい、将来が見えない不安、結婚や出産のタイミング、いろいろあると思う。それを正直に話すのは悪いことじゃない。ただ、面接の場でそのまま「しんどかったので辞めました」と言うと、面接官の頭には「じゃあこの仕事もしんどくなったら辞めるのでは」という連想が生まれてしまう。
これ、意外と知られてないんですけど、面接官が聞きたいのは「なぜ辞めたか」じゃなくて「なぜここで働きたいか」なんですよね。辞めた理由はあくまで前提の説明で、メインは志望動機の方。順番を間違えると、辞めた理由の説明に時間を使いすぎて、志望動機が薄くなる。
私の場合は「夜の仕事で接客経験を積んだ中で、もっと長く積み上げていける環境で働きたいと思うようになりました」というラインで話していた。嘘は言っていない。でも「辞めた理由」の暗さを「志望動機」の前向きさに変換して渡す、という作業をしている。
言ってはいけない言い方、というのがいくつかある
「体がもう無理でした」「稼げなくなってきたので」「人間関係に疲れて」。これらは本当のことでも、面接の場でそのまま口にすると、続きが「じゃあこの仕事も体力的にきつくなったら辞めますか?」という質問に繋がってしまう。ここで詰まる人をたくさん見てきた。
もう一つ避けたいのが、夜職そのものを下げる言い方。「水商売なんてもう嫌になって」みたいなニュアンスは、面接官によってはあなたの人間性の評価に直結する。過去の仕事を悪く言う人は、今の仕事も後で悪く言うんじゃないか、と思われる。ここは夜職の経験を否定せずに、「その経験を土台にして次に進みたい」という形にした方が通りがいい。
夜職の経歴をどう書くかについては、夜職の職務経歴書の書き方の方でもう少し詳しく書いたので、そちらも合わせて見てもらえたらと思う。
実際に使いやすい組み立て方
私が面接を何社か受けて、通った時と落ちた時を振り返って気づいたのは、志望動機がうまくいくときは、大体次のどれかに近い形になっていたということ。
一つは「生活の安定を軸にする」パターン。「長く同じ環境で働き続けられる仕事を探していて、御社の〇〇な部分に安定して働けると感じました」というライン。夜職を否定せず、単に「次のフェーズに入りたい」という説明で済む。
もう一つは「経験を活かす軸」。接客業をしていたなら、「お客様の要望を先読みして動く経験を積んできた」「クレーム対応やクロージングの経験がある」というふうに、夜職で培ったスキルを昼職の言葉に翻訳する。この翻訳作業は最初は難しく感じるかもしれないけど、夜職のスキルが活かせる仕事7選を読むと、案外そのまま使える言葉が見つかると思う。
あと一つは「将来を見据える軸」。結婚や出産、家族の事情がある場合はこれが素直に伝わりやすい。「将来を見据えて、日中に安定して働ける環境を探していました」というだけで、多くの面接官は深追いしてこない。無理に嘘の理由を作る必要はなくて、事実の中から「面接官が納得しやすい部分」を前に出す、というだけのこと。
深掘りされたときにどう答えるか
「なぜ辞めたんですか」と重ねて聞かれることは普通にある。ここで焦って本音を全部話してしまう人がいるけど、そこまで開く必要はない。「長く続けられる働き方を考えるようになって」くらいの一言で、大抵は次の質問に進む。
もし「夜職の仕事は大変でしたか」と聞かれたら、「大変な部分もありましたが、その分学べたことも多かったです」くらいの温度感で答えるのが個人的にはちょうどいいと思っている。ここで無理にポジティブに言い切ろうとすると逆に不自然に聞こえるので、少しだけ本音を混ぜるくらいがちょうどいい。
面接で聞かれることの全体像は夜職の面接で聞かれることは?にまとめてあるので、志望動機以外の部分が気になる人はそちらも見てほしい。逆に「何を答えても落ちる」と感じている人は、夜職から転職の面接に落ちる理由の方が答えに近いかもしれない。志望動機以前に、話し方や第一印象で引かれているケースも実はある。
一人で組み立てるのがどうしても不安な場合、夜職からの転職に詳しいエージェントに一度相談してみるのも手だと思う。志望動機の言い回しって、自分では気づけない癖があるので、第三者に見てもらうと直しが早い。
辞める前に、店との話も一応整理しておく
これは少し余談だけど、志望動機を固める前に、今の店をどう辞めるかも決めておいた方がいい。円満に辞められている人を見ていると、共通しているのは「はっきり退職の意思を伝えている」ということ。「一度お店で話そう」と面談に誘導されるケースは、大抵引き留めの入り口だと業界の知人から聞いたことがある。店によっては雇用契約ではなく業務委託の形になっていることも多いと言われていて、その場合は契約を終えるかどうかを本人が決める権利がある、という考え方もある。契約書の内容だけは一応確認しておいた方がいい。
自分で伝えるのがどうしても難しい場合は、退職代行という選択肢もある。詳しくは退職代行はキャバクラで使える?にまとめている。
退職代行の記事を読む書き終えて思うこと
志望動機の欄に「正しい答え」なんてない。ただ、面接官が知りたいのは過去の後悔じゃなくて、この人がこの先どう働きたいのか、という一点だけ。辞めた理由を隠す必要はないけど、それをそのまま話す場所でもない、というだけの話だと思う。
私が最初に書いた志望動機は、今読み返すとだいぶ硬くて説明過多だった。何度か面接を受けて、少しずつ削って、今の言葉に近づいた。今夜、白い欄をずっと見ているなら、完璧な一文を最初から書こうとしなくていい。とりあえず一行、辞めた理由を書いてみて、それを次の日に読み返して、暗い言葉を一つだけ前向きな言葉に変えてみる。それだけで、明日の欄は少し埋まりやすくなっていると思う。